2013年8月25日日曜日

採用基準


元マッキンゼーの採用マネージャが記した本というマーケティングにしっかり摑まり手に取った本。

実際にはリーダーシップとは何か?がテーマ。マッキンゼーでは、ケース面接も、地頭の良さも、分析力も、優等生も、優秀な日本人も、求めているわけではなく、将来の幹部候補生としてリーダーシップを重視しているという。そのリーダーシップは、一部の人間だけでなくメンバ全員が持っているべき。なぜならばリーダーの定義が「チームの使命を達成するために、必要なことをやる人」だから、と。ただし、このリーダーシップが求められ、機能するのは、成果主義を原則とする環境。組織の和を重んじる環境では、これらは疎まれる要素だとも。

そのリーダーシップは天賦の才ではなく訓練で身に付くものであり、そのためには、

  • バリューを出し(常に何らかの付加価値を生み)、
  • ポジションを取り(自分の意見を持ち)、
  • 自分の仕事のリーダーは自分(与えられたミッション遂行のためには上司部下同僚含め関係者をどう使って成果を最大化するのかを考える)、
  • ホワイトボードの前に立つ(議論を主導する)、
をしていくことで、できるようになるという。

また、日本に足りないのはグローバル人材、ということにも疑問を呈していて、実際に足りないのは国内外問わずリーダーシップだろうというのは納得。現地でやるべき業務を日本人がわざわざやるのではなく、それらの人材をまとめ上げ目標を達成することが必要なのだと。

著者のリーダーシップは、確かに今の職場にも満ち足りれば素晴らしい成果が上げられると思う。まずは自分からチャレンジしてみよう。

2013年6月22日土曜日

リーダーを目指す人の心得



陸軍という生死が関わる極限の活動を求められ、かつ大組織の中で、どのようにマネジメントし、リーダーシップを発揮してきたかについて著者の逸話とともに語られている。

著者のマネジメントスタイルは、情報や部下に対する要求レベルは高いものの、その潜在能力や主体性を引き出し任せていく「信頼」をベースにしている。マイクロマネジメントに陥ることなく任せていく。




13箇条のルールも記しておく。
1.なにごとも思うほどに悪くはない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
2.まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう
4.やればできる。
5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8.小さなことをチェックすべし。
9.功績は分け合う。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的であり続ければ力が倍増する。


最も印象に残ったのは、リッコーバー大将の話。

「物事を成すのは組織ではない。物事を成すのは計画や制度ではない。物事をなせるのは、人だけだ。組織や計画、制度は、人を助けるかじゃまをするか、である」

2010年11月10日水曜日

「組織は戦略に従う」とは

(メモ)

アルフレッド・チャンドラーの理論:「組織は戦略に従う」
(『Strategy and Structure(経営戦略と組織)』)

administrators(管理者)
 =足下の問題を解決すること。
  管理の枢要は効率を上げることであり、突発事態や異常への対応が鍵になる。

strategy(戦略)
 =会社の将来の健全性を確保するためのものであり、
  それを保証するために現状の枠組みを変えること。
  現状の枠組みを変えるためには、経営資源の再配分が必要。

 戦略の本質=企業が成長を達成するための手段として何を選ぶかという選択の問題
  「枠組みを変える」成長の手段
   1.地理的拡大:製品をより広い市場へ供給していく
   2.垂直統合:現在の事業の川上、もしくは川下まで取り込んでいく
   3.多角化:手掛けてきた事業に加え、新たな事業を興していく

structure(組織)
 =3つの成長手段のそれぞれに、適した組織がある

 地理的拡大⇒北米本部や欧州本部といった地域本部制の組織
 垂直統合  ⇒社長の下に営業部や製造部などの機能組織がぶら下がった組織
 多角化    ⇒オーディオ事業部や金融事業部といった事業部制