2005年11月17日木曜日

上司が「鬼」とならねば組織は動かず

リーダーシップのあり方は、これが唯一絶対ではないが、上司としての心構えは賛同できる。部下の育成と仕事の成功に真摯に向かう姿勢を「鬼」と表しているようだ。もちろん、ただ厳しくするのではない。その根底に持つべき思想を説いている。日本が戦後、間違った個人主義を植え付けてことに、強い憤りを感じているようだ。



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以下は、気になった点のメモ

・スポーツ界での指導常識は天才を育てる手法
  短期間で専門能力を突出させるためには、他の欠点など構っていられない
  能力を最大限に伸ばすには、凶暴な性格だろうが礼儀知らずだろうが、気分良く高い意欲で練習に打ち込ませなければならない
  調子が悪くても自分で考えて復調しなければならず、思考力、判断力を伸ばすため、質問により考える習慣・能力をつけさせる

・仏の上司(やさしい、ものわかりのいい)の正体は
  自己の任務に真剣でない人
  部下の指導育成を放棄している人
  部下に無関心な自己中心の人
  単なる怠け者
 である。

・「強制」で潰れるような個性は何の役にも立たない。
 個性は従う、守るという基本の上に花開くものだ。
 こうした基本ができない奇人、変人、異端児を集めて好き勝手をさせれば会社はすぐ潰れる。

・任せるとは
  失敗まで任せること(上司は責任をとる)
  忍耐すること(拙劣さに目をつぶり、口出ししたい気持ちを抑える)
  信じること(暴走しない限り、支持し、応援する)

・統率の根幹は命令と強制である
 統率力のある人とは、命令せず、強制せずに、命令と強制を行う人である
 (人は理解、納得、信頼、尊敬がある時、喜んで動く)

・会社に対する深い愛情、経営に対する真剣な姿勢、困難に立ち向かう強い精神
 知識、共用、人間性など全ての力を出して、部下のココロを掴む

・上司の基本
  命令者である(命令によって部下を動かせ)
  評価者である(部下の仕事を正当に評価せよ)
  教育者である(模範を示し、部下ができるまで繰り返し教えよ)

・個人主義は本来、義務と責任を伴う
 (我慢、恥、協調を身に付けよ)

・会社の規模によって求められる上司は異なる
  小さい会社(5-10人規模)=仲間(親しまれる指導者)
  中の会社(50-100人規模)=信頼(怖がられる指導者)
  大きい会社(100人以上) =理解(孤独にして崇拝される指導者)

・社長の代行ができる人材
  経験を活かす
  仕事の細部に注意を払う
  隠さず報告する
  疑問を提出する
  社長以上に厳しい考え方をする

・社長にしてはならないのは
  人を尊敬できない人
  祖先や親を否定する人
  戦意のない人
  足元に目がいかない人
  平等意識が強い人

・会社は社員に、お金以外の動機を与える責任がある
  達成感、かつ誇り、楽しみ、面白みは疲れをとばす
  自分を認めている上司、わかりあえる仲間が職場規律をもたらす
  厳しい仕事が逃げ脱落するのは本人の心のあり方が問題
  金のためという動機だけで働くと、まず心が病み、体を動かなくしてしまう

・会社の目的は利益の追求ではない
  利益追求のためなら手段を問わず、何をしてもいいという考え方は間違い
  利益の追求は会社が人を育てる手段(経営も仕事も人を育てる手段)
  お金は会社と人の成長度を示す単なる目盛りにすぎない

・会社の常識
  会社にはビジョンと経営理念がある
  会社は全体がひとつの意志に統一された時、強い力を発揮する
  会社は利益を配分する(利益に一番貢献しているのは社員だから優先的に配分)
  会社は己の生存と名誉(信用)を第一とする
  会社は仕事ができる人を優遇し、できない人は冷遇する
  会社は命令報告のルールで動く騎馬民族型の組織である
  会社の中には人の上下関係があり、上と下では与えられる権限の大きさが違う
  会社は意欲のある人、会社に対する忠誠心がある人を歓迎する
  人は仕事によって成長する
  会社は人間教育の場である