2010年11月10日水曜日

「組織は戦略に従う」とは

(メモ)

アルフレッド・チャンドラーの理論:「組織は戦略に従う」
(『Strategy and Structure(経営戦略と組織)』)

administrators(管理者)
 =足下の問題を解決すること。
  管理の枢要は効率を上げることであり、突発事態や異常への対応が鍵になる。

strategy(戦略)
 =会社の将来の健全性を確保するためのものであり、
  それを保証するために現状の枠組みを変えること。
  現状の枠組みを変えるためには、経営資源の再配分が必要。

 戦略の本質=企業が成長を達成するための手段として何を選ぶかという選択の問題
  「枠組みを変える」成長の手段
   1.地理的拡大:製品をより広い市場へ供給していく
   2.垂直統合:現在の事業の川上、もしくは川下まで取り込んでいく
   3.多角化:手掛けてきた事業に加え、新たな事業を興していく

structure(組織)
 =3つの成長手段のそれぞれに、適した組織がある

 地理的拡大⇒北米本部や欧州本部といった地域本部制の組織
 垂直統合  ⇒社長の下に営業部や製造部などの機能組織がぶら下がった組織
 多角化    ⇒オーディオ事業部や金融事業部といった事業部制

2010年9月11日土曜日

グローバル人材

船川淳志の新・グローバル人材養成講座」より

  1. あなたの会社の部長層で、BRICsやVISTA、新興国の現地法人を経営できる人材は何%いるでしょうか?
  2. あなたの会社の課長層で、海外のプロジェクトを任せられる人材は何%いるでしょうか?
  3. あなたの会社の担当者で、海外担当を任せられる人材は何%いるでしょうか?


現地側の関係者に「彼はどうでした?」と聞いたとき
“He (She) is OK.”という返事は「レベル1」。
声のトーンによっては not OKということも考慮すべきであるが、なんとか及第点という状態だ。

“He (She) is good.”と返ってきたら「レベル2」。
合格だ。

“He(She) is great!”が「レベル3」。
目指すべきは「レベル3」だ。


・即時対応言語最適化能力
中国語のようであるが、読んで字のごとく、自分の考えをその場で素早く言語化する能力だ。再三指摘したように、英語の環境では論理の明確さに加えてク イック・レスポンスが求められる。そして英語で日本語以上のパフォーマンスを挙げるのは無理があるから、日本語環境でも常に即時対応言語最適化能力を鍛えておく必要がある。これは「考えてから話す」のではなく「話しながら考える」訓練で鍛えることができるだろう。

・思考の瞬発力、集中力、持続力
そのためにも思考の瞬発力を高めておきたい。日本人は集中すれば成果を出すことが得意な人が多い。その集中力をどこまで持続できるかとともに、反応ス ピードをいかに高めることができるかが課題になるだろう。お勧めしたいのは、質問を受けてから2.1秒以内に答えを返すという「2.1秒ルール」だ。これは以前「3秒ルール」として紹介したものの改訂版で、人間の反射神経における平均的な反応速度が0.7秒といわれており、その3倍もあれば対応は可能だろうということで変更した。外国人との会議でぜひ実践してみてほしい。

・広い視野と高い視座
連載初回に述べたように、全球化というステージに入ったグローバルビジネス環境では、環境問題、エネルギー問題、南北問題というまさに地球規模的な問題を視野に入れておかなければならない。自分の専門外、業界以外のことまで目配りをしながら、社会への貢献を果たすリーダーが求められている。

・たゆまぬ知的好奇心
前号では、ドラッカーも指摘した「無知の元凶となる知的傲慢」について触れた。何歳になっても知的アンテナをひっこめることなく、むしろ年齢を重ねれば重ねるほどアンテナを高くする人でありたい。

・人間に対する深い洞察
グローバルビジネスも最後は人の問題にいきつく。国籍、言語、宗教、民族をはじめ多様性の高い環境のなかで、異文化への理解を深めながらお互いの共通項を発見し、学びあうことは必須条件だ。これは人間に対する興味、相手を理解しようという姿勢なくしては成し遂げられない。

・脱「どちらか一方」思考
どうも世の中には、「論理思考を高めると、感情で物事を受容することがなくなる」、「専門領域を深めれば、一般教養はなくてもいい」といった二項対立をもち込みたい人が多いようだ。極めつきは「グローバルに走る者は日本の良さを理解していない」などという見方。なぜ、日本人の誇りと良さをもちながら、世 界で活躍することができないと考えるのだろうか? この両立が不可能でないことは本誌の読者なら十分理解できるだろう。

2010年7月11日日曜日

エンゲージメント・マネージャー

(メモ)

■3つの特徴

1.ビジョン力
  ・信念・ビジョンを持ち、部下に伝え、実践する
  ・業務、顧客、現場感覚への理解と共感
  ・部下、同僚1人1人の成長へのこだわり
  ・目標達成へのこだわりと割り切り

2.「見切り」と「仕切り」のよさ
  ・決断、意思決定力、部下に命じ、部下に任せる
  ・話を聞き、褒めて叱るコミュニケーション
  ・上、横との調整力、交渉力

3.人間としての器量(価値観等)
  ・人間への関心、理解力
  ・人間的明るさと論理的思考力
  ・責任感と前向き意識、欲求





■エンゲージメント

『従業員の一人ひとりが、組織に対して、ロイヤルティをもち、方向性や目標に共感して、「心からの愛着」を持って、絆を感じている状態』を指す。

本当に優れたマネージャーは、部下をただやる気にさせるだけでなく、「部下を仕事、職場、会社の間に絆を結ばせる」ことに成功し、そのことを通じて高い業績をあげている。

2010年7月3日土曜日

フォロワーに選ばれるリーダーの条件

(メモ)

1.明確なビジョン
リーダーが掲げるビジョンに賛同できるかどうか。フォロワーにとって、そのビジョンが魅力的かどうか。ビジョンを実現するために、エネルギーを投入する価値があるかどうか。

2.貢献力
明確なビジョンに、リーダーがどれだけこだわりを持ち、それを実現させるためにエネルギーを注いでコミットしているか。リーダーのコミットの度合いが、ビジョン達成へのフォロワーの貢献度を左右する。

3.批判力
リーダーの言動やリーダーの判断に対する批判、意見、組織が機能するための自分の考え、などをリーダーに伝える機会があると同時に、それらに聞く耳を持っているリーダーかどうか。

多くのリーダーは、3番目の批判力を嫌う傾向が強い。自分を批判したり、自分が思いもつかなかいアイデアを考え出したりする部下に対しては、自己の存在を脅かす“もの”として脅威を抱く。

2010年6月23日水曜日

求められる上司像

(メモ)

■方針・決断
 1.言っていること、考え方が一貫している
 2.決断する
 3.明確で具体的な指示ができ、部下を放任しない
 4.部下に任せるべき状況では、任せる

■コミュニケーション
 5.人の話をちゃんと聞く
 6.部下を褒めるべき時に褒めることができる
 7.部下を叱るべき時に叱ることができる
 8.上にものが言える。上から言われてもすぐに前言を変えない

■業務設計に関する行動
 9.社内で調整したり、交渉したりする力、人脈がある
10.部下の役割を設定したり、業務に必要なリソースを調達したりすることができる

■資質
11.明るく、人や物事を肯定的に見る
12.物事を客観的・体系的にとらえることができる
13.業務知識・経験が十分。現場感覚、お客さま視点がある

■基本的スタンス
14.目標達成へのこだわりが強い
15.目標達成・社内評価へのこだわりが強すぎず、無茶を言わない。割りきりのよさがある
16.部下のあげる成果にも関心はあるが、部下そのものに本質的に関心を持っている
17.自分の昇進、社内評価への関心がさほど強くない

■本質的な価値観・行動特性
18.仕事に対するビジョン、持論がある
19.相手の立場にたって考えることができる。他者に対するいたわりや関心が強い
20.物事に対する積極性や、活動力が十分にある

2010年5月19日水曜日

部下の強みを知るためのチェックリスト

(メモ)

■強みの定義
「無理をせず、普通に行って、他の人よりもパフォーマンスを出す分野」

■部下の強みを知るための質問
 ・あなたが大好きなことは何ですか?
 ・あなたが大好きな仕事は何ですか?
 ・あなたの強みだと思う 「○○」はどのような場面で特に発揮されると思いますか?
 ・「○○」が強みだと感じるのはどんなときですか?

■「強み」チェックリスト
 ・自発性 自ら進んで物事をする
 ・協調性 力を合わせて事をなす
 ・計画性 事を行うにあたり、その方法や手順などをあらかじめ考える
 ・社交性 人付き合いが好き、付き合い上手
 ・戦略性 長期的・全体的展望から思考する
 ・表現力 思い・感情を上手に伝える力
 ・営業力 クライアントを見つけ、販売する力
 ・実行力 決まったことを行動に移す
 ・忍耐力 我慢強い・あきらめない
 ・想像力 既成概念にとらわれない
 ・決断力 早く、的確な判断ができる
 ・瞬発力 誰よりも行動が早い
 ・適応力 どのような状況でも対応できる
 ・観察力 人・場の空気を読む
 ・完遂力 必ずやりきる
 ・分析力 論理的に物事をとらえる
 ・コミュニケーション力 相手に合わせた対応ができる
 ・広い視野 多角的に物事をとらえる
 ・向上心 意欲を持って学び続ける
 ・達成意欲 目標を達成するための方法を考える

■部下の強みをより深く知るため、部下が自分の強みであると考えている項目について質問
 ・なぜそう思うのか?
 ・これまでどんなときにそれを感じたか?
 ・どのような場面でそれは発揮され るか?

■若手にとって重要な3つの強み
 ・コミュニケーション力
 ・向上心
 ・達成意欲

2010年3月28日日曜日

GEの求めるリーダー像

(メモ)

■GEバリュー(求める人物像の8つの能力)
 ・好奇心
・情熱
・工夫に富む
・責任を持つ
・チームワーク
・コミットメント
・開かれた
・鼓舞する





■GEバリューをもつリーダーに共通する5つの要素

1.外部志向
業界動向に精通しており、先を見据えて行動し、常にお客さまの視点で思考してビジネスの成功を定義する

2.明確で分かりやすい思考
複雑な問題に対する簡潔な解決策を求め、決断する。焦点を絞り、明確で一貫した優先順位を伝達する

3.想像力
変化を柔軟に受け入れ、新しく革新的なアイデアを創造する。工夫に富んだアイデアの実現を進める

4.包容力
他者のアイデアや貢献を尊重しチームワークを築く。組織に活気を生み出し、チームの帰属意識を高める

5.専門性
豊富な経験に基づく専門性と信頼性を持つ。高い学習意欲を持ち、継続して自己開発に努める