2013年6月22日土曜日

リーダーを目指す人の心得



陸軍という生死が関わる極限の活動を求められ、かつ大組織の中で、どのようにマネジメントし、リーダーシップを発揮してきたかについて著者の逸話とともに語られている。

著者のマネジメントスタイルは、情報や部下に対する要求レベルは高いものの、その潜在能力や主体性を引き出し任せていく「信頼」をベースにしている。マイクロマネジメントに陥ることなく任せていく。




13箇条のルールも記しておく。
1.なにごとも思うほどに悪くはない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
2.まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう
4.やればできる。
5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8.小さなことをチェックすべし。
9.功績は分け合う。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的であり続ければ力が倍増する。


最も印象に残ったのは、リッコーバー大将の話。

「物事を成すのは組織ではない。物事を成すのは計画や制度ではない。物事をなせるのは、人だけだ。組織や計画、制度は、人を助けるかじゃまをするか、である」

2010年11月10日水曜日

「組織は戦略に従う」とは

(メモ)

アルフレッド・チャンドラーの理論:「組織は戦略に従う」
(『Strategy and Structure(経営戦略と組織)』)

administrators(管理者)
 =足下の問題を解決すること。
  管理の枢要は効率を上げることであり、突発事態や異常への対応が鍵になる。

strategy(戦略)
 =会社の将来の健全性を確保するためのものであり、
  それを保証するために現状の枠組みを変えること。
  現状の枠組みを変えるためには、経営資源の再配分が必要。

 戦略の本質=企業が成長を達成するための手段として何を選ぶかという選択の問題
  「枠組みを変える」成長の手段
   1.地理的拡大:製品をより広い市場へ供給していく
   2.垂直統合:現在の事業の川上、もしくは川下まで取り込んでいく
   3.多角化:手掛けてきた事業に加え、新たな事業を興していく

structure(組織)
 =3つの成長手段のそれぞれに、適した組織がある

 地理的拡大⇒北米本部や欧州本部といった地域本部制の組織
 垂直統合  ⇒社長の下に営業部や製造部などの機能組織がぶら下がった組織
 多角化    ⇒オーディオ事業部や金融事業部といった事業部制

2010年9月11日土曜日

グローバル人材

船川淳志の新・グローバル人材養成講座」より

  1. あなたの会社の部長層で、BRICsやVISTA、新興国の現地法人を経営できる人材は何%いるでしょうか?
  2. あなたの会社の課長層で、海外のプロジェクトを任せられる人材は何%いるでしょうか?
  3. あなたの会社の担当者で、海外担当を任せられる人材は何%いるでしょうか?


現地側の関係者に「彼はどうでした?」と聞いたとき
“He (She) is OK.”という返事は「レベル1」。
声のトーンによっては not OKということも考慮すべきであるが、なんとか及第点という状態だ。

“He (She) is good.”と返ってきたら「レベル2」。
合格だ。

“He(She) is great!”が「レベル3」。
目指すべきは「レベル3」だ。


・即時対応言語最適化能力
中国語のようであるが、読んで字のごとく、自分の考えをその場で素早く言語化する能力だ。再三指摘したように、英語の環境では論理の明確さに加えてク イック・レスポンスが求められる。そして英語で日本語以上のパフォーマンスを挙げるのは無理があるから、日本語環境でも常に即時対応言語最適化能力を鍛えておく必要がある。これは「考えてから話す」のではなく「話しながら考える」訓練で鍛えることができるだろう。

・思考の瞬発力、集中力、持続力
そのためにも思考の瞬発力を高めておきたい。日本人は集中すれば成果を出すことが得意な人が多い。その集中力をどこまで持続できるかとともに、反応ス ピードをいかに高めることができるかが課題になるだろう。お勧めしたいのは、質問を受けてから2.1秒以内に答えを返すという「2.1秒ルール」だ。これは以前「3秒ルール」として紹介したものの改訂版で、人間の反射神経における平均的な反応速度が0.7秒といわれており、その3倍もあれば対応は可能だろうということで変更した。外国人との会議でぜひ実践してみてほしい。

・広い視野と高い視座
連載初回に述べたように、全球化というステージに入ったグローバルビジネス環境では、環境問題、エネルギー問題、南北問題というまさに地球規模的な問題を視野に入れておかなければならない。自分の専門外、業界以外のことまで目配りをしながら、社会への貢献を果たすリーダーが求められている。

・たゆまぬ知的好奇心
前号では、ドラッカーも指摘した「無知の元凶となる知的傲慢」について触れた。何歳になっても知的アンテナをひっこめることなく、むしろ年齢を重ねれば重ねるほどアンテナを高くする人でありたい。

・人間に対する深い洞察
グローバルビジネスも最後は人の問題にいきつく。国籍、言語、宗教、民族をはじめ多様性の高い環境のなかで、異文化への理解を深めながらお互いの共通項を発見し、学びあうことは必須条件だ。これは人間に対する興味、相手を理解しようという姿勢なくしては成し遂げられない。

・脱「どちらか一方」思考
どうも世の中には、「論理思考を高めると、感情で物事を受容することがなくなる」、「専門領域を深めれば、一般教養はなくてもいい」といった二項対立をもち込みたい人が多いようだ。極めつきは「グローバルに走る者は日本の良さを理解していない」などという見方。なぜ、日本人の誇りと良さをもちながら、世 界で活躍することができないと考えるのだろうか? この両立が不可能でないことは本誌の読者なら十分理解できるだろう。